米津玄師「KICK BACK」のサンプリング

米津玄師さんの新曲「KICK BACK」が、モーニング娘。の往年の「そうだ!We’re Alive」のサンプリングをしたということで話題になっています。

実際に聴いてみると「サンプリング」というより「歌詞の引用」という雰囲気が強いですね。
一時期のオレンジレンジのような「ガッツリそのまま持ってきました」という感じはありません。
(むしろ原曲のジンギスカンの方が目立ちますね)

該当箇所は以下の通り。

努力 未来 A Beautiful Star

幸せになりたい

この2か所だけ。

前者は原曲では「未来」の部分が「平和」「A ha」「前進」に変わりながら歌っていますが、KICK BACKでは「未来」のみ。
モー娘。は「未来」が別のもの(ソルトレイクオリンピックのテーマソングだったらしいのでつまりそういうことです)に繋がっている印象を持ちますが、KICK BACKでは短調のフレーズでぶっきらぼうに繰り返し歌っているので未来を考えることに追われている印象を持ちます。
イントロとアウトロのリフレインに音程感がないのはわざとだと思っています。

「幸せになりたい」に関しては歌詞がそのままなのでメロディの比較になりますが、モー娘。は長三度で終わり次の「あなたを守ってあげたい」の「ド」に繋がる形になっていますが
米津玄師は完全一度(二番はメロディが違いますがオクターブ上の一度)で終わっており自己完結した印象を持ちます。次のフレーズも「楽して生きていたい」なので。
その次は「あなたのその胸の中」になるのでこちらは原曲と対応していることになります。

(それぞれハ長調とイ短調に移調しています)

大槻ケンヂがももクロに「労働讃歌」の楽曲提供をして後にセルフカバーした際に、
「ももクロが歌うと『みんなで叫べばそれが見えるかもしれないぜ』という部分がとてもポジティブに聞こえるが、
筋肉少女帯が歌うとそれは『無いのかもしれない』という意味に聴こえてくる」
というコメントを出していたのを思い出しました。

チェーンソーマン原作知らないので一話ぐらいしか判断基準が無いんだよなと思いながらエントリを書きました。

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